物 語

その夜、会社員の須賀一人が自宅アパートへ帰りつくと、
ドアの前に見知らぬ少年が蹲っていた。
彼は、一年前に亡くなった、一人の飼い猫のハナだと名乗る。

不審に思いながらも突き放すことができず、
「ハナ少年」と同居生活を始める一人。
祖父母とハナしか知らない記憶をなぜか語る少年は、
やがて一人の孤独な生活と心に変化をもたらしていく。

しかし一人には孤独に生きる理由があった。
それは自分の手が、
「消えろ」と願ったものを消す力を持っていることだった。

償いの人生を生きる男と、猫だと自称する光り輝く少年の、
花々が咲きほこる極彩色の愛の行方は――。


人 物

一人(かずと)

一人(かずと)

あることが原因で償いの人生を歩もうと決心した、
孤独に生きるサラリーマン。

藍忘機(ラン・ワンジー)

ハナ少年

突如一人の前に現れた、
一人の亡くなった飼い猫を名乗る少年。


書籍

上巻書影 Now printing

「このて」

著:朝丘 戻 ill.丹地陽子

<発売日>
左(上巻)2022年8月22日(月)頃
右(下巻)2022年9月22日(木)頃
<販売価格>
1,700円+税
<判型>
四六判

試し読み

特典情報

<アニメイト>
表紙イラストカード(左/右)
<コミコミスタジオ>
書き下ろし小冊子(右)
【有償特典】
A5サイズアクリルプレート(左/右)
価格:2,000円+税
<一般書店(一部)>
書き下ろしSSペーパー(左)
特典配布店舗一覧
全国チェーン店・専門店
ホーリンラブブックス
文教堂アニメガ(一部店舗除く)
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エムズエクスポ 盛岡店
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キャンペーン詳細

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開催中~2022年10月31日(月)23:59まで

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書店員さまの声

  • 大盛堂書店 山本様

    果たして人は自らの孤独のなかへ逃げ切れるのか。
    そう願いその手で触れたものを"消す力"を持ち世間を避けることを選んだ男が、かつて大切に飼っていた猫と名乗る少年と出会い運命が変化していく。
    まずファンタジーのような状況をつねに冷静に俯瞰し続ける著者の確かな技量に瞠目する。
    そしてストーリーが主人公達の感情を漏らさず映す鏡に徹することによって、いとも簡単に崩れ落ちる満ち足りた二人の幸福な場面を、何度も丹念に繰り返しなぞり続けていく説得力が生まれてくる。

    また登場人物達が見る感じる光景の違いの描き方も魅力的だ。
    光り輝きさらに求め合う二人の世界が高みにあって互いをさらけ出した理想郷であればあるほど、周りを引き込んで自分達の偏見や嫉妬も露わになり、色々なものを排除し純化していく過程と揺り戻しが、読者も感情移入をしながらも偏らずフラットに読めるのは、これも著者の真摯な姿勢のおかげなのだろう。

    みんな違っているのに一つになっても良い。
    互いの心のなかへ追いつき近づいて、護るべき人の闇夜の先を代わる代わる手を取り合いながら照らし合う希有な小説、BLの魅力もありながら、普段このジャンルに馴染みのない人でも十二分に惹きつけられるはずだ。必読傑作。

  • アニメイト大阪日本橋 岩崎様

    改めて朝丘先生の「読ませる力」を強く感じました。
    この物語にいる誰もがそれぞれの人生をそれぞれの想いで生きている、その生々しさ、懸命さは、まるで朝丘先生の手がみんなの心の奥底から
    そっと掬い上げているかのように丁寧に繊細に、時に激しく紡がれていき、その一人ひとりの織りなすドラマの巧みな展開にのめり込むように読みました。
    主人公2人の辿った道はとても険しく、苦しみや悔しさに胸が絞られるようでしたが、命と尊厳に真正面から向き合い、唯一の愛を守るために戦う姿はとても眩しく、
    痛みを知るものにしか出せない"正しさ"に胸を打たれました。
    左巻で2人の軌跡を知り、右巻で揺るぎない愛のその先を見守り、幸せに向かい足掻く2人と寄り添いながら読み終えた時、この作品に咲く花の匂いと手のぬくもりが私を包み、安堵と温かさに満たされていました。
    素晴らしい構成で紡がれる2人の奇跡のような足跡を1人でも多くの方に一緒に歩んでいただきたいです。

  • マルサン書店 サントムーン店 川澄様

    生まれつき持っているもの、育った環境、してきた経験によって、ひとりとして同じ人間はいなくて違いがあるけれど、思いやりを持ってそれぞれが生きやすい世の中であってほしいと願いたくなる作品でした。
    「--苦しませない、とは言わなかった。苦しいときは自分も一緒だ、って言ってくれたの。だからこのひとといるとなにも怖くなかった。」という部分、とても素敵だと思いました。こんな関係性でいれる人が隣にいてくれたら、私も何も怖くないだろうと思います。
    私は「消す力」は持っていないですが、自分にとってなかなか解消できずに苦しんでいる問題はあります。主人公達が苦しくてもその力と向き合い、周囲の人との関わりの中で自分達なりの考えを見つけていく姿勢に自分も励まされました。
    物語の流れ、作中の人物の心情が緻密に表現されていて、作品や登場人物をとても大切に描かれているのだと感じました。
    最後に、静岡県民として、地元である伊豆の風景をとてもあたたかく美しいものとして描いていただき有難く思っております。

  • 未来屋書店 明石店 井村様

    自分にとっての「正しさ」とは何なのか。
    誰のための正しさなのかを問い、時には苦しみながらひとは生きていて
    私もまた常識や普通に流され、それが正しいと思い込んだまま、もしくは気づかないふりをしながら生きているのかもしれません。
    「正しさ」も「幸福」のかたちも、人それぞれ持っているもの。
    当たり前のようでいて、忘れがちな大切なことを改めてたくさん考えさせられた作品でした。
    私にとっての「愛」って何だろう。「幸せ」って何だろう。

    見ている景色や大事にしたいものは一緒なのに
    同じ人間ではないからピッタリとおなじにはなれなくて、それでもやっぱりおなじで。だから苦しい。だから幸せ。
    そうやって、小さなすれ違いや生じたズレを、真っ直ぐな深い愛をもって伝え合って重ね合って、つよく手をつないでいくふたりに何度心を打たれたかわかりません。

    美しいだけの愛の話でもなければ、夢のような恋の話でもないし、嘘みたいに簡単に手に入る幸せの話でもない。
    たしかに、ふたりが生きた軌跡の物語。

    朝丘先生にしか描けない愛のかたちがここにあります。

    ぜひ「そのて」でふれてほしい。
    ふたりが選んだ道、歩む未来に、寄り添って見届けてほしいと切に願います。

  • 廣文館 新幹線店 鶴様
  • 紀伊國屋書店 名古屋空港店 山崎様

    久々に不幸のてんこ盛りな物語で心臓と胃袋がぎうぎうと痛みました、しんどい…。かずとの能力を別とすれば、誰もがハナ少年にも綾乃にもなる可能性がゼロではない。暴力は様々なカタチで「外の世界の奴輩」たちによって持ち込まれる、その恐怖も辛かった。
    世界中の平和は望むけれど自分にはそれを叶える術もチカラも、無い。ただ、半径1メートルの愛する人を守れる強さが欲しい。かずととハナ少年が命がけで手にしたものはそういうものだと思う。
    リセットではなくリスタートの結末に驚かされた。彼等はどんな闇を見たのだろうか? ハナ少年の後遺症?は厄介ではあるけれど私には約束と願いに思えた。かつて祖母が祖父に名前で呼ばれていた「愛」の証しだと。


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